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戦友の弔い

 3月に入り、ついに年度末となりました。2月は最後にとんだニュースが飛び込み、言葉を失いました。バリで苦楽を共にした古市が亡くなりました。私より一つ年上なだけなのに、早すぎる死です。

 インドネシアでの今の成功は、2018年にバリでランドリーをティプランさんと共に彼と立ち上げたからであります。ジャカルタでセントレジス の洗濯を請け負えたのは、そのお陰です。ゼロからセントレジス の仕事をもらえた訳ではありません。実績も評価されました。

 2020年入ってコロナ禍、バリも観光客が全くいなくなり、彼は一人ランドリーの後を見守る事となりました。日本人一人、全くの異国でどんな心境だったか想像に難くありません。ティプランさんと話し合い、日本に帰国してもらう事にしましたが、結局ティプランさんにも仕事はない状況でした。

 そこで、八木春グループでは不動産をやっていたので、彼にその業務をやってもらってはどうかとティプラン辻本社長に相談した所、そこで移籍が決まったのです。パンデミックは誰もが経験のない、非常事態でした。

 そんなこんなで不動産をやってもらう事になりましたが、彼には洗濯業務の経験があり、グループでは貴重な人材となりました。ところが、そこに信じられない病魔が彼に襲いかかったのです。ALSと言います。最初は言葉の滑舌が悪いなと、冗談を言っておりました。

(ビッグサイトでコインランドリーEXPOが開催され、アクアはミラブルとコラボの洗濯機を展示していた)

 ところが、そのうち言葉をしっかり話せなくなるだけでなく、身体も動きを統制できなくなって弱まってしまったのです。杖を使う状態に陥りました。病院にも入院しましたが、原因が判明しません。しかし、家族の方からの情報で、ALSというのが判明した次第です。

 家族の方も病気を信じられなかったのかと思います。奥様とも会いましたが、子育てが終わって、これからもう一度社会に出ようかという矢先だったようです。私もALSという病魔がどんなものか、全く分かりませんでした。どうも不治の病だそうです。

 日本では死亡の要因としてガン、心筋梗塞、脳卒中と三大疾病が有名ですが、他にも死ぬ病気が身近に発生するとは、ショックでなりません。創業者の祖父が後を継いだ息子の叔父を失くし、大変な後悔をした事が思い浮かびます。息子を自分の道に呼び寄せたら、先に亡くなってしまったのです。

 古市にとって日本で私と一緒に仕事できたのは、本当に幸せだったのでしょうか。

 今や彼から直接答えを聞く事はできません。歳を取ると、次から次へとこうした悲報を味わう事になります。また一人、私と共に生きる戦友が増えました。奥様の立場に立って、彼は自分で死をせんたくしたのでしょうか...

 こうして今月がスタートしました。

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