ジャカルタより東京に戻りました。まるで海をどちらに向かうべきか航海するかのごとく、舵を力強くきってるのですが、どこかでプツリと切れるリスクと隣合わせです。誰も歩まない道なので、自分で道を作るしかありません。
ジャカルタリッツカールトンとは契約内容につき合意し、遂にセントレジス に続いて施設内ランドリー を立ち上げる事となりました。これもここまで持ってきた仲間のお陰です。ただ、これからが本当の意味での始まりです。
インドネシアでホテルにタオルを卸した時からここに来るまで10年以上ですが、タオルの商売は日本で始めてから90年やってきました。2018年まで洗濯事業をやった事はなかったですが、繊維に関しては水との関わりをずっと持ってきたのです。
商談で先方に洗剤の事を言われた時に、大いなる疑問を感じざるを得ませんでした。思わずこの人はどこまで分かっていっているのだろうかと不思議でしたが、そこは通訳のお陰で事なきを得ています。所詮契約は形式で、現場にはもっと大事な事があるのです。
(セントレジス の目の前のレストランで、今回ジャカルタまで来てくれた東洋産業の鈴木社長を囲む)
案の定、その後に工場予定現場に向かったら、雑然と汚れた裏側が目の前に飛び込んできます。これは本当に何とかしないと働く人達が浮かばれません。恐らく、そこまで目が行き届いていないのが現実なのです。
契約をするのは賢い人達かもしれませんが、彼らは社会課題の解決まで考えていません。自分のメンツが立てばそれでよく、私は握手されても嬉しくとも何ともありませんでした。ジャカルタの空を見たら、幼い頃に住んでいた薄汚い空気の東京と同じです。
結局金を儲けて贅沢して、周りの環境を汚して、一体何がいいのでしょうか?日本がやってきた事と同じ事を新興国でも続けて、我々の価値はどこにあるのでしょうか?
出来ない理由を述べる時間があるのなら、どうしたら出来るか考えるべきです。失敗した時の言い訳を言っておきたいのなら、失敗して潔く反省する方がよっぽど尊いでしょう。
前例がないからやるのであって、前例がある事をやるだけなら価値は生まれません。社会起業家として、事業をしながら社会課題の解決に取り組んでいく事を強く思った出張でした。