株主総会を終えて、決算を深く振り返る一週間を、珍しく大阪だけで過ごしました。会社は生き物なので日々動いており、トップとしてどう舵取りするか正に問われております。代わりになる社長がいないとなると、結局は自分でやるしかありません。
そんな中、やるべきことを日々集中し、全力を出し切るというシンプルな自分の良心からの解答が出て、少々吹っ切れました。全従業員とのコミュニケーションを更に強化し、金曜日には大阪の従業員と懇親の場も設けました。
ところで大阪は万博が始まり、私も既に三回視察しました。こんな歴史的な年を味合わない手はありません。一度目は本社の従業員と一緒に行きましたが、他二回は単独です。また二回目は、ついハマりそうになってしまう自分に気づきました。好奇心が尽きないのです。
海外パビリオンをメインに回っていますが、三回目に自分で初めて予約を取った「いのち動的平衡館」は日本の生物学者の福岡伸一氏がプロデュースしたものでした。非常に哲学的なので一般の人には分かりづらい気もしましたが、動的平衡という概念を視覚的にイメージさせて、生命の不思議を解説しています。
(生憎の天気だったが、お陰で空いたせいか、エンブリオと名付けられた建築による「いのち動的平衡館」に入る)
今回の万博は「いのち輝く未来社会のデザイン」がテーマですので、生命に関する謎を考える必要があります。特に死を迎えるとはどういことなのか、動的平衡館ではそれも語っていました。死は利他的な行為だと言い、非常に肯定的でした。
世の中はテクノロジーであったり物的な事に左右されがちですが、改めて内面的な心や命に視点を与えてくれるパビリオンでした。私も含めて人間は、表面的な現象に振り回されていないでしょうか?
日本社会は少子化まっしぐらで、東南アジアもその道を辿るようです。地球全体では人口が増え続けているというのに、日本の人々は将来不安が絶えず、そこから脱却する必要を感じます。私の活動するモラロジー道徳教育財団は来年100周年をいう事ですが、現在約1万人と言われる組織も年々減り続けています。
日本国同様、組織として範をどう示すか、これからも私個人としても問われ続けるのでしょう。