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「不易」は三方よし資本主義か?

 広島でG7が開催され、日本が注目されています。政治に関しては専門外なのでノーコメントですが、米中対立は日本経済にとっていいと思えません。せっかく国内にいい機運が出てきているので、ここで日本の存在意義を明示するチャンスでもあります。

 「不易流行」と言いますが、一体日本の「不易」とは何でしょうか?14日に名古屋で、久しぶりの「親和会」という八木春伝統行事がありました。コロナで3年休止していましたが、なんと90年も続くと言います。

 創業者の八木春一がお寺に寄付して、しかも祖母も会に寄付したようで、その資金を元手に親族が年一回集まり、続けてきたようです。しかし、八木春元会長の中山さんも90歳を超え、丸眞名誉会長の真下さんも80歳を超えると高齢化の波に勝てません。来年最後にするという話が出ました。

 父も亡くなり、私の代で色んな節目を迎える事になってきましたが、人間の命もどこかで終わるように、続ける事というのは非常に難しい事です。日本人が長寿であり、企業も長寿企業が世界一というのは何か理由があるはずです。

 稲盛和夫氏による盛和塾で学んだ事に「大家族主義」というのがあります。実は昔は八木春には丁稚さんがいてくれて、会社は文字通り大家族でやっていました。創業者の祖父が厳しく商売を教える一方、祖母が丁稚さんの食事を用意し、優しく子供と同様に育てていたのです。

 従業員もその家族も大家族の一員として企業経営をするというのが、日本的経営の伝統です。では、これが不易でしょうか。最近はどうもそうした関係性が薄れているような気がします。むしろインドネシアの方が家族的な会社の雰囲気です。アジアはそうした文化があるのかもしれません。

 株主資本主義という言い方がありますが、欧米はその意識が強く、短期的な業績を重視します。どうしても雇われている社長はその任期で結果を出さないといけないので、無理が生じて破綻するケースが多いと思います。長期的な視点で見れないのです。

 「ファミリービジネス」が最近注目されるようになりましたが、ここにヒントがあると思います。例えば内部留保の議論と言い、欧米の株主資本主義が全てではないので、それこそ三方よし資本主義が不易ではないのか、今月開催される株主総会でも対話をしてみたいと思います。

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